ヒトはなぜ珈琲が飲める様になるのか

珈琲の歴史

珈琲を飲んでおじさんになった近所のボク

先日、一番古い常連さんの息子さんが、お母さんの代わりに珈琲豆を買いに来ました。
 
息子さんは実はマスターのお向かいさんで、赤ちゃんの頃から知っている、いわゆる、”近所のボク”だったのですが、先日現れた”近所のボク”は、いい大人で(22歳・・・)会ってしばらくは誰なのかわかりませんでした。

近所のボクのわずかな面影

しかし、お母さんとかお父さんの面影が僅かにあったので、何とか最後には気が付くことができたのです。^^;

で、今日はお母さんのほうが来られて、息子さんの話になり、最近は飲めなかった珈琲が飲めるようになり、大人の仲間入り?を果たしたのかな?とか、なんとか、話していたわけです。

多様性はヒトがヒトである証

子供のころに食べられなかったものが、大人になるにつれて食べられるようになるという話はよく聞く話です。

それは、要するに味覚が発達したとか簡単に済ませるわけなのですが、このシステムは ”ヒト独自のシステム” であると言う事はあまり知られていません。

つまり、自然の動物は、生まれてから死ぬまで食べられる守備範囲(味覚の守備範囲ともいう)が大幅に変わると言う事はないのです。

人が本来食べれる味はほんの少しだけ

味覚というものは、五味に大別できます。
①甘味 ②うまみ ③塩味 ④苦み ⑤酸味 なわけですが、実はこの中で食べても大丈夫と言われる味は①②③だけです。

④の苦みは要するに毒の味で、珈琲でいうところのカフェイン、つまり植物が動物からの捕食を免れるために作っているアルカロイド毒なわけです。

アルカロイド毒は、カフェインのほかには、トリカブトやコカインもそれに相当しており、摂取すると通常は病気になったり、死んだりします。

⑤の酸味は、いわゆる、腐った味、もしくは果実などが熟していない未熟な味に当たり、これも食すると病気になったり死んだりします。

ヒトは本来食べ物でない味も食べれるようになる

で、なぜヒトは本来食物でないものを、食物として認識できるのか?と疑問が湧いてきます。

一般的に毒や腐敗物はヒト以外の動物は一生摂取しません。ヒトが毒や腐敗物を摂取出来るのは、ヒトがヒトである証であるともいえます。

つまり、人類特有の脳の構造、後天的な脳のシナプス結合がなす業であるのです。

色んなものが関連付けられて人は成長する

ヒトは生れ落ちてから、多大なる刺激を受け続けます。その刺激の洪水が、本来つながっていない大脳皮質のシナプス結合を無尽蔵に進撃させます。

おかげで、ヒトはありとあらゆることを経験しながら、無限の成長を成し遂げるわけなのです。

動物は基本的には生れ落ちてから脳細胞同士の結合はしていきません。

大体ヒトのように、無意味に大きな大脳を持っていないので、結合するにも結合するものがないのですが。。。

永遠の成長を続ける生物がヒト

ヒトは生まれてから、死ぬまでシナプス結合を繰り返して成長していきます。

大脳の容量そのものは変わらない(というか減っていく)シナプス結合自体は死ぬまで続くので、死ぬまで成長することができる、唯一の生物と言えます。

これが、”学習によって、味覚の守備範囲が広がる” という、摩訶不思議なヒトの特質になるわけです。

おかげで、子供のころに飲めなかった毒の一種、”コーヒー” も大人になるとシナプスがつながって、飲めるようになり、”近所のボク”、もいい大人に変身するわけです。( ^^) _旦~~

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