イスラム世界の珈琲とキリスト世界の珈琲
珈琲発祥伝説は二つある
珈琲はもともと、アラブ世界の飲み物だったのですが、キリスト教皇が ”悪魔の飲み物・コーヒー” に洗礼を施してから、キリスト教世界の飲み物として晴れて認められました。
それに伴って、コーヒー豆の発祥伝説も2タイプ出来たわけです。
一つはアラブの伝承であるオマールの鳥、もう一つはキリスト世界の伝承であるカルディの羊飼いです。
無実の罪で追放されたオマール
オマールはアラビア系の僧侶で、祈祷でお姫様の病気を治したのに、その関係を疑われて追放されました。
そして、荒野をさまよっていたところ、鳥がついばんでいる珈琲の実を食べたら元気になったと言う伝説です。
後付けの伝承・カルディの羊飼い
もう一つの有名な方は、羊が珈琲の葉や実を食べて興奮してぴょんぴょん跳ね回ったのを見て、羊飼いも食べたら元気になったという言い伝えです。
まあ、両方とも伝承・伝説の類なのでどっちが正伝か、などと考察するのも時間のむだなのですが・・・
ただ、もともとの珈琲の起源自体がイスラム系の荘園で栽培されていたものなので、どこをどう見ても元々はイスラム世界の飲み物だったことは確実です。
現在はキリスト教世界が主流派
しかし現生ではキリスト教的世界観が主流なので、珈琲の発祥伝説も勢い、キリスト勢力の強い影響を受けて、あたかも珈琲自体がキリスト世界の飲み物だった様に見られています。
オマールと言う僧侶が実在したかどうかは定かではありませんが、伝説によれば僧院を追放されたオマールが放浪の果てに珈琲を発見し、その実が卓越した薬効があることを見出して、珈琲の煮汁を人々の健康や病気の治療に使ったということです。
実際、アラブのお坊さん達が夜通しの修業に、コーヒー豆をお供にしていたことから見ても、結構信ぴょう性のある伝承ですね。
コーヒー豆はシャーマニズムの道具
乾燥などの珈琲の精製や、焙煎という技術がいつ見出されたのかは分かりませんが、その後、珈琲豆は一部シャーマンによって洞窟やテント内で燻され、その煙によってトランス状態となり、神託に使われたとされています。
珈琲豆は当初、特権階級や、シャーマニズム、病気治療に使われて、その後世界各地に栽培場所を移して民衆に広まっていったことは間違いなさそうです。( ^^) _旦~~
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