お薦めのコーヒーミル厳選2種・珈琲豆の挽き方とグラインダーの使い方

コーヒーミル 手動式珈琲豆グラインダー
珈琲ミル

今回の記事は珈琲豆の挽き方です。

すぎた珈琲では10年以上前にコーヒー教室のコンテンツを作ったのですが、グラインドに関する事には一切言及していませんでした。

以前から、いつか作らねばならないと考えていたので、ここにまとめて書く事で、その代わりとさせて頂きます。

珈琲を抽出するには、豆を砕く必要があります。

お店で粉状にして買っていく方もいますが、本当にコーヒー好きの人は必ずと言ってよいほど豆のまま買って行かれます。

その比率は当店の場合半々くらいです。

大抵の自家焙煎珈琲豆屋は、コーヒーミルを買って自宅で豆を挽くようにお勧めします。

しかし、毎回飲むたびに珈琲豆を挽く必要があるのでしょうか?

一部の例外を除いて当店でも珈琲は抽出する直前に粉砕することをお勧めしています。

しかし、これも例外があって一概にすべて当てはまるわけではありません。

今回の記事ではコーヒー豆を粉砕する方法や、その意味を詳しく解説していきます。

しかし、時間のない方の為に最初に答えだけ書いてしまいます。

焙煎後一週間以内に飲み切る場合は全部挽いた方が良い

焼立てのコーヒー豆は炭酸ガスを多量に含んでいます。

この炭酸ガスを抜かないでドリップすると、ガス臭いコーヒーエキスになります。

ガスを抜くにはコーヒー豆を蒸らせば良いのですが、焙煎したての豆の場合、蒸らしだけでは炭酸ガスが抜けきりません。

これが、焼きたてのコーヒー豆は業務用のミルで粉にした方が良いわけです。

ただし、焙煎したてであることと、必ず一週間以内に飲み切ってしまう事です。その理由は後ほどゆっくりと解説します。

お勧めのミルは手動はポーレックス・電動はナイスカットG

これは2018年4月21日のお勧めのミルです。時代が変われば道具も進化します。

今すぐ地雷を踏むことなく、値段以上の価値のあるグラインダーを購入したいのでしたら、上記のどちらかを買ってください。両方買っても後悔することはありません。

手動のミルはキャンプや出先で使えばいいですし、ナイスカットGはほぼメンテナンスフリーで余程のことがない限り一生使えます。

では、これから詳しくミルの事や、珈琲豆の粉砕の事を解説していきます。

珈琲の粉は豆の表面積の数十倍ある

写真はモカ・イルガチェフG1を60粒数えたものです。

ベートーベンが愛した60粒の珈琲豆

ベートーベンが愛した60粒の珈琲豆

上が豆、下が粉にしたもので、重量は8グラムです。

実はコーヒー好きのベートーベンは毎日きっかりコーヒー豆を60粒数えて濃厚な珈琲を楽しんでいたそうです。

この当時はターキッシュコーヒーにして飲んでいたでしょうから、8グラムでも十分濃厚な珈琲になったのでしょう。ただ、ここで見ていただきたいのは、珈琲豆の表面積です。

同じ分量の豆なのに、粉の方が傷みやすいのが分かります。

このまま空気にさらしていたら数時間で酸化してしまうでしょう。

粉の珈琲を保管するときは、写真のように空気に晒す事は無いでしょうから、実際の劣化スピードは豆の数倍程度です。

焙煎したての豆の場合、一か月が保存限界と考えると、粉にした珈琲豆の保存限界は5~6日という事になります。

これが先ほど言った、焙煎直後の粉珈琲は一週間以内に飲み切ってほしいわけです。

焙煎直後の豆を全部粉砕する理由

ソムリエの方に聞いたのですが、開封したばかりのワインは別の瓶に移してシェイクし、空気と混ぜ合わせて(つまり酸化させて)飲む方が味わい深くなると聞きました。

実は、珈琲豆もある程度空気にさらして酸化させた方が美味しくなるのです。

どの程度酸化させればよいのかというと、焙煎してから一日密閉ビンで保管した後、すべて粉砕し、密閉ビンに戻してガスを抜いて、同時にすこし酸化させる。

すると3~6日くらいの間、丁度良い飲み頃の珈琲になるわけです。

よく、焙煎したての珈琲は芳ばしいとかコクがあるとか仰る方がいます。

しかしそれは、炭酸ガスがコーヒーに溶けだした味で、液体中の二酸化炭素の味を芳ばしいと勘違いしているだけなのです。

下記の写真では珈琲をドリップしたとき、ハンバーグのように膨らんでいます。

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これは焙煎したてでガスが抜けきっていないか、蒸らしが足りていないからです。

このままドリップすれば、珈琲の粉が泳いでしまって、エキスが十分抽出されないばかりか、炭酸ガスがコーヒーに混ざってしまってガス臭くなってしまいます。

ドリップしている最中は、それ以上膨らんではダメなのです。

 

それでは次に、珈琲豆のグラインドについて解説します。

コーヒー豆は抽出直前に粉砕する

大半の自家焙煎珈琲豆店がコーヒーミルを買って頂いて、自宅でグラインドしてほしいのは、コーヒー豆は粉砕したときに一番良い香りが出るからです。

一番よい香りのギフトが目の前にあるのに、それをミスミス逃す手はありません。

珈琲を愛しておられるなら、とっておきのコーヒーミルで、抽出する直前にグラインドして珈琲の甘い香りを余すところなく堪能して欲しいと思います。 ^^) _旦~~

珈琲豆の粒度は抽出方法で変える

コーヒーミルを買って行かれるお客様には、毎回同じ質問をされます。

それは ”珈琲豆の挽き具合はどうしたらいいのか?” という質問です。

珈琲の抽出方法は地域によって様々で、それを全部網羅しようと思ったら、一冊本を書かなければならなくなってしまいます。

ですので、ここではエスプレッソとドリップコーヒーに関してだけ解説します。

まずエスプレッソですが、これは考える必要もなく微粉状にするという事です。

幾人かのイタリア人にも確認しましたが、家庭用の直火式エスプレッソマシン、別名モカエキスプレスで入れる場合も、可能な限り細かく砕いてくれと言われました。

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業務用・家庭用にかかわらず、エスプレッソマシンで使うコーヒー豆は微粉状にします。

ただ、微調整はものすごく細かい作業になります。

これは、タンピングとドーシングの兼ね合いもあるので、詳しくは後日エスプレッソ編で解説したいと思っています。今回ここでの説明は以上とさせて頂きます。

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ドリップ用コーヒー豆の粉砕方法

ドリップ用に珈琲豆を粉砕する方法ですが、どれくらいの粒度にすればよいのか迷うところです。

当店で珈琲豆を粉砕する時は、粗びきにしております。また、お客様にも粗びきをお薦めします。

それで、実際に、”粗びき” とはいったいどれぐらいの粒度なのでしょうか?

非常に象徴的な表現になりますが、それは、”ドリップしてもエグミが出ない程度の粒度” という事になります。

珈琲のドリップ抽出はデガラシとリキッドの分離作業です。

ドリップが完了したら、残ったデガラシの粉にエグミ・雑味成分を残し、サーバーに抽出した液体には美味しい成分だけ残すのがメソッドとなります。

よって、コーヒーリキッドにエグミ成分が溶け出さない位の粒の大きさが正しい表現となります。

具体的にはナイスカットGの場合、初期設定のダイヤルメモリよりも、二つ程度粗びきの設定が当店での適正粒度となります。

細かい設定は実際に抽出されたエキスを飲んでみて、各人調整してください。

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他にも注意点として粒度を均一にするとか、毎回同じ粒度にする、つまり再現性を持たせるなどがありますが、それらはどちらかというと、テクニックではなく、コーヒーミルの性能によるので、これから解説するコーヒーミルの選定方法で詳しく説明いたします。

コーヒーミルはどの様にして選べばよいのか?

わたしは足掛け30年以上レギュラーコーヒーの抽出をしているのですが、その間、ありとあらゆるコーヒーミルを使ってきました。

現存するミルメーカーの大半を使ったと思います。(使うだけでなく販売してアフターフォローもしました)

そこで気が付いたことは、”コーヒー豆の粉砕は意外と奥深くて、味を決定的に左右するものだ。” という事です。

では、コーヒーミルを選ぶにあたってどういった点に注意したらよいのでしょうか?思いつくままに列挙していくと、

①均一に挽ける ②毎回同じように挽ける ③使い方が簡単 ④値段が手ごろ ⑤ドリップ向けのミルである ⑥素早く沢山挽ける ⑦手入れが簡単 ⑧見た目が美しい ⑨粉が飛び散らない  大体このぐらいです。

それでは順番に説明していきます。


①珈琲豆を均一に挽ける事は最重要項目

お客様の悩みの一つで、”毎回コーヒーの味が違ってしまう” という事があります。

この要因の一つは、安価なプロペラ式のコーヒーミルを使っている事です。

プロペラ式のミルの良い点は1000円以下の物があるので、入手が簡単な事です。

しかし困ったことに、珈琲豆の粒度は挽くたびに違ってしまいます。

ダイヤル式のメモリと違って、プロペラを回す時間と、ミルの振り具合でキメが変わるので、微調整が出来ません。

また、粒の大きさがマチマチで微粉状の物から粗びきの物までのブレンドになります。

これを買うなら下記写真の手動式のポーレックスミルの方が何倍もお得です。

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②毎回同じように挽けるか

ドリップコーヒーは再現性が乏しいです。入れる人によって味がかなり変わるからです。

豆の挽き具合まで毎回違うと、もう訳が分からなくなってしまいます。

入れる度に違う味になるのは一概にダメな事とは言いませんが、それも限度があります。

基本的に毎回同じ条件で抽出するのが、ドリップの基本となります。

③誰でも簡単に扱える

使う人の技量で、出来具合が大きく左右されるのは、道具としては失格です。

弘法筆いらずと申しますが、使い勝手が良いに越したことはありません。

わざわざ使いにくい道具で挽いてみるのも楽しいですが、お客様にはお勧め出来ません。

下の動画は珈琲名人のお点前です。

④値段が手ごろである

コーヒーミルの値段は色々なので基本的に ”買う人にとって値段以上の価値があればよい” と思っています。

高いと感じるか安いと感じるかはお客様次第です。買われる方が納得すればそれで良いわけです。

大変高価な手動ミルも販売した事があるので、手動で数万円?と個人的には思うのですが、見た目や使い心地は最高でした。

よってそれに価値を見出すヒトがいる限りは、それでよいと思います。

良い物を所有すれば、それだけでココロが満たされます。

下の写真は、ザッセンハウス製のミルです。ドイツのマイスターが一個一個手で組み立てる逸品で、使い心地は最高でした。

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⑤ドリップに適した挽き具合になるか?

珈琲豆の挽き具合は抽出方法によって変わります。

海外でのお土産に珈琲の粉を買って来ても、うまく抽出できないのは、現地での抽出方法と、日本での抽出方法が違うからです。

こちらの記事では日本人向けのペーパードリップを想定しています。

ですので、コーヒーミルもドリップに適したものである必要があります。

お客様にお勧めするミルも、ペーパー用に適したものであることが絶対条件になります。

具体的には、ペーパー用に最適のミルはカリタ製のカット式ミルになります。

カット式の刃で粉砕したコーヒー豆の断面はエスプレッソ用のミルと違って断面が鋭利になり、ドリップしたときにエキスが出やすくなります。

カット式のミルは現在カリタ製しかありません。下の写真はカット式の刃で、豆を切り刻むようにグラインドする事が特徴です。

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⑥素早く沢山挽けるか?

珈琲を毎日飲むには、なるべく簡単に挽ける方がよいです。

手動でゆっくりとグラインドを楽しむのもよいですが、特に女性が使う場合は、珈琲抽出ばかりに時間を使うことは出来ません。

《グラインド ⇒ ペーパードリップ》も慣れてしまえば、コーヒーメーカーよりも素早く、美味しく入れることが出来ます。

⑦お手入れは簡単か?(メンテナンスフリー)

毎日コーヒーミルを手入れするのは業者くらいです。

一般のお客様はそんな時間はありません。

コーン式やプロペラ式のミルは微粉が容器や刃の隙間に残ってしまい、どうしてもブラシなどでお掃除する必要があります。

当方がお勧めしている手動式ポーレックスミルは全部分解出来て丸ごと水洗いできます。

一方電動のナイスカットGは刃が縦方向に向き合ってついているので、微粉が隙間に残りにくい構造になっています。

ほぼメンテナンスフリーで刃は耐久性の高いニッケルモリブデン鋼で出来ています。

小石が挟まってもそのまま刃こぼれなく砕いてしまうほど丈夫です

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⑧見た目が美しいか?(台所にマッチするか)

コーヒーミルは結構場所をとります。

ナイスカットGは大体電気ジャーポットくらいの大きさがあります。

よって、そんな目立つ物をキッチンに置くのは女性にとって大問題です。

なるだけコンパクトで他の調度品とマッチしなくてはなりません。

ちなみにポーレックスはハンドルが分解出来て小さくコンパクトになります。

色はどちらもシルバーがあるので調度品としても違和感なく置けると思います。

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⑨粉が飛び散らないか?

珈琲を挽いた後に静電気で粉が容器にへばりついたり飛び散ったりする事があります。

豆をグラインドするたびに回りが粉だらけになるのは、正直かなりストレスになります。

コーヒー受けにアルミ箔を貼れば静電気は緩和されますが、それでもなるべく粉が飛び散らない構造になっているほうがいいです。

カリタ製ミルでNEXT Gは静電気を放電する機能が備わっているので、その点優れているのですが、いかんせん値段が高いです。

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まとめ

珈琲ミルは星の数ほど種類があります。

しかし、こうやって日本のお客様向けのミルは何なのか?という視点で見てみると、意外と対象となる商品は絞られてきます。

要するに・・・

①ペーパードリップに適したミルは何か? ②丈夫で、メンテナンスフリーはどれか? ③値段が手頃で飽きの来ない製品はどれか?以上を踏まえると

①手動式はポーレックス製のミル ②電動はカリタ製のカット式ミル で決まりです。

正直その他の物を買う場合は別の用途(例えば見た目とか所有の喜びとかですね)になると思います。

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